▼担当学生記者
戸塚喜美(22歳:取材時)
▼取材日
2001/3/28(水)
▼取材時間
14:00~16:00
▼取材地
川上さんのご自宅
▼取材の雰囲気
そんなもんあるかいな?
担当学生記者:
戸塚喜美(22歳:取材時)
私は大学で美術史を専攻していました。江戸時代の服飾史についても勉強していましたので、今回の取材は大変興味深いものでした。何より、職人さんといわれる方に出会ったのも初めてでした。自分の仕事、自分の生きる道、自分の好むものに対し、妥協を許さない、妥協しない。でも私が感じたのは、妥協しないというよりもできない気質の持ち主である。ということでした。これだけは人に負けない、といえること。つまり自分だけのオンリーワンはなんですかと聞いたとき、『そんなもんあるかいな?』正直言って、このコトバには驚きました。でもお話を聞いて、人柄に触れていくうちにその言葉は川上さんから出た自然のコトバなんだなあと思いました。絵を書くことが好きで、それは別に人と比べてどうのこうのというものではない。人よりこれだけは自分が優れているとか言う次元の問題ではない。のです。本当に感激しました。とてもシンプルな強さ、純粋さを持っている方だなあと思いました。
感性を磨く方法は、本物と接することから ・花を見てきれいだな、と感じれる心。・むかつく時は、思いっきり怒れる心。
同行学生記者:
平尾ゆかり(26歳:取材時)
西陣織の帯の図案を書く川上としおさん。「いやー、自分のことなんて~」と笑いながら、でも、思いっきりしゃべりつくして頂きました。(笑)小さい頃から絵を書くことが大好きで、何も考えずにただただ時間を忘れて絵を書きつづけていたという彼。しかし、あまりにも仕事に没頭しすぎて「左目」を失明させてしまった。。。それを「職人」には、職業病の一つや二つは絶対にある。どんな仕事だって、「職人」なら同じはず。と、むしろ誇りにさえ思っているかのようにおっしゃっていました。そして、その「目」はとんでもない感性で”色”を捉える。”模様”を捉える。アトリエにはびっくりするほどの「絵の具」と「本」の山々。金色 一つとっても、何十種類という「金色」がある。それを的確に捉えて、色を載せていく。私たちには「同じ色」に見える色でも、川上さんにとっては「違う色」と見ることができるんですね。。彼の作った図案は、どれも”やわらかい””優しい”もの。綺麗なものを「きれい」と感じることができる心。それって本当に重要なことですよね。忙しさにうもれていると、夕日を見ても、きれいな花を見ても、何も感じなくなってきますから・・・。そんな人にはなりたくなーい!色々なものを的確に「感じることができる心」をもつというのは、イコール、心の余裕 をもっていらっしゃる方なのだと思いました。暇なときは、裏山で猫と遊んでいるそうです。それを、すごーーーーーくうれしそうにお話してくれた、あのときの「目」が忘れられません!(本当だよ)本当に「感性が研ぎ澄まされている方」でした。
--
同行学生記者:
石浦陽子(23歳:取材時)
西陣織りの帯の意匠家(図案家)さん、川上さんの御自宅での取材だったのですが、まず、一番に驚いたのは川上さんの御自宅の立派さでした。あっけにとられて取材に入る前から、なんだか心が引き締まる思いでした。取材が始まると、すぐに私達の場の雰囲気を読み、すぐに親好的にお話をしてくださった、あのお気づかいに川上さんの人柄の良さを感じました。西陣織り、着物業界の不況は否めないとお聞きしていたので、少しお聞きしにくいお話を伺うことになるかと心配していたけれど、川上さんのお話を聞いているうちに、やはり「オンリーワン」の強みともいうべきものが見えてきたように思いました。
3度の飯より好きなこと
・若いうちに一つ好きなことを見付けそれを極めたこと
・よりよいものを作るための追求を続けること
・そして何よりその仕事が楽しいと思えること
そんな仕事を奥様とお二人でなさっているのが更にうらうやましく思っちゃいました。仕事内容は、とにかくいろんな資料や書物から得たデザインを模写したり、自分で創作したりと両方あるそうですが、どちらであっても、川上さんのあの「明るい」感じ、「やわらかい感じ」は誰にもだせないデザインだと思いました。いつも取材の後で、同じことを感じます。それは「一つを極める」ということ。「一つにとことんまっしぐらになる」ということが素敵な生き方の見本であるということ。それを続けることによって次第にその可能性がどんどん広がっていくということ。キャリナビスタッフとして、私自身も素敵な生き方をできるよう、その「一つ」を見つけるべく、これからもキャリナビで更に素敵な人に御会いしたいと思いました。キャリナビを通して「人の生き方に惚れる」という感動を何度も味わうことのできる素晴らしさに、改めて「キャリナビの魅力」も再認識しました。
--
同行学生記者:
金井寿恵(20歳:取材時)
--
同行学生記者:
筈井淳平(19歳:取材時)
川上さん。とても気さくな方でした。最初はさすがに伝統工芸の意匠家さんとだけあって、内心緊張していたのですが、川上さんのとてもフレンドリーな話しかけが、見事に僕達の緊張感をほぐしてくださいました。取材は話だけにとどまらず、アトリエや作品、庭なども見させていただき、あまりの凄さにただ「おおー」と言うばかり。けれどもそんな素晴らしい西陣織産業が、現在危機をむかえています。そんな西陣織産業は現在、変革を求められています。実際いろんな人たちが変革を試みているようです。それはまさに様々ですが、特にはコンピュータの活用が目立っています。意匠はCGで制作する、という職人も普通に現れるようになりました。しかし、今回取材させていただいた川上さんの意匠は、コンピュータを使わないもの。自分の感性を自分の手で表現するところに重点を置く川上さんの作品には、しっかりとした「目ではみえない、温かいメッセージ」がこめられていました。手作りであるところに、作り手と買い手とのコミュニケーションがとられているよう。「手作り」による技工の極致ですね。そのような意匠には、その制作者の「オンリーワン」が込められているんじゃないか。川上さんのすごく正直な気持ちの表れた作品をみていて、なんだかそう感じました。川上さんの感性はきっと、身の回りのいろんなものが支えているんだと思います。北山を一望できるロケーションもそうでしょうし、飼っていらっしゃる猫もそうでしょうし。けれども何よりの支えはきっと彼の奥さんなのでしょうね。取材中も「お互いパートナー」という感じがしました。一緒に取材した石浦さん@京都は感想のなかであの雰囲気を「うらやましい」と書いていましたが、いや僕もそれは思いました。ホント、うらやましいです。なんだか、現実を知らされながら、同時に夢や希望も持たされた取材であった気がします。また京都の大学に通いながらもこういう伝統工芸に携わっている人との接触がなかっただけに、とても貴重な一日でした。
--
同行学生記者:
渡邊崇之(22歳:取材時)