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学生記者の感想

▼担当学生記者
渡辺夏海(21歳:取材時)

▼取材日
2001/5/10(木)

▼取材時間
10:30~12:00

▼取材地
川善(ナビゲーターさんの会社)

▼取材の雰囲気
京都御所近くにある川邊さんの職場「株式会社川善」で取材は行われました。御所のすぐそばということもあり、情緒溢れる町並が広がっていました。この場所から友禅が生み出されているのだと感じさせる雰囲気が漂っていました。

気付いたら徹夜をしているのが、好きな仕事なんじゃないかな
担当学生記者: 渡辺夏海(21歳:取材時)
仕事場に入って、今までの伝統産業の方と違っていたのは「デジタル機器」や着物の本の側で、パソコン本が溢れていた点です。父親が手書きで友禅を作り、その側で川邊さんがパソコンで友禅のデザインをしているそうです。ちなみに父親の作る着物は一枚200万円もするそうです。思わず すごいなあ・・・と言葉が出てしまいました。HPをご自分で作り、デジタルベンチャーを立ち上げている事もあり、その知識や思いは半端ではありませんでした。どうして、デジタルなのか、HPの目的はなんなのか?具体的に聞くことができました。ちなみにダウンロードできる壁紙には、川邊さんの心の変化がかなり濃く反映されているそうです。明るい作品の時は、ゴキゲンでシックなときは落ち込んでいる時だそうです。
デジタル技術を駆使する友禅職人は日本でただ一人、川邊さんだそうです。絶対、今後世の中で注目を浴びる方だと確信しました。今まで取材の度に、伝統産業の傾きをお聞きしてきましたが実際に、問題をどう解決していくのかを追求しそれを立ち上げている(デジタル方面で)に会ったのは初めてでした。ご自分で英語版HPも作っていました。川邊さん自身、友禅職人になっていなかったらデザインの仕事に就いていただろう、とおっしゃる程デザイン好きなので、それが結果として友禅のデジタル化につながったのだと思います。
作品は、とにかくかっこいい!!これは、ぜひ映像で皆さんに見てもらいいたいです。

人の和と触れたい
同行学生記者: 筈井淳平(19歳:取材時)
小さいころからデザインが大好きだった川邊さん。「よく自分の名前とかを勝手にデザインしてたりしてましたねぇ。」その「好き」という思いが、就職によってかたちになります。美術学校でデザインを学んだ川邊さんは卒業後、広告制作プロダクションに在籍、やはりデザインに携わることに。その後、もともと家が手染友禅をおこなっていたので、結局はそれを継ぐことになりました。それが今の職業です。
色と色との折り合いかたなどにより、作者の感情が暗に表現され、それをまたみるものが暗に感じ取り、お互いがリンクしあう。川邊さんは特にそのあたりに、デザインの魅力を感じているようでした。日本語で表現すれば「和」というコミュニケーション。「お金とは関係なしに、人の和と触れたい」と川邊さんは語ります。
それが現在の川邊さんのホームページで大きく実現しました。友禅が持つデザインの魅力をPCの壁紙/カレンダーで表現したのです。このコーナーはたちまち人気をよび、様々なネットマガジンで紹介されるまでに至りました。その人気も「人の和と触れたい」という思いがあってこそなのでしょう。
しかし画像系はDLしてもフリーですから、お金にはなりません。人間、最後はお金が肝心、といえば汚くきこえるかもしれませんが、ここで今の川邊さんの活動にビジネス性を見い出す必要がでてきました。川邊さんが職業としている「友禅」市場は需給関係が成立しておらず、現在壊滅的状況にあるといわれています。
「こういうことを続けていくと、(友禅は)つぶれるやろうね」と、京都市の協力を経て「クロス・ザ・ポイント」の立ち上げに関わります。「クロス・ザ・ポイント」とは、いわばこのような伝統工芸の意匠をデジタルアーカイブ化し、着物だけでなく様々な分野にこの文化を継承させていこう、という動き。「もっとこういった文化が身近に感じられるように」という思いがあるようです。これこそコミュニケーションだと思います。もともと「友禅」というもの自体も、「豪華なものに触れあいたい」という江戸時代当時の民衆の思いが、宮崎友禅齋というデザイナーの手によってできたものでした。そこにはしっかりとしたコミュニケーション=和があったのでしょう。
しかし川邊さんはその思いを伝承したい、というわけではないと思います。ただデザイナーとしての喜びを感じたい、それだけだと思います。それにこそ、デザイン=意匠を愛する根本があるような気がしました。
しかし、もちろんそれだけではなんともなりません。問題点も抱えます。デジタルアーカイブでは、例えばディスプレイや出力に誤差があります。そのため、BtoCではまったく効果を為しません。あくまで今のところはBtoBでこの動きを捉えることが妥当のようです。また、すぐに出回ることがよい結果だけを生み出すとは考えられません。課題はまだ沢山あります。しかしこれからがスタートだと思います。
何度もくり返しますが、その根本は「人の和と触れたい」という思い。これを踏まえたうえで、今後の動向、要チェックです。

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