▼担当学生記者
しぶやゆかり(25歳:取材時)
▼取材日
2001/2/11(日)
▼取材時間
18:30~
▼取材地
キャリナビ本郷事務局
▼取材の雰囲気
ふと気が付いて振り向くと結構歩いたな(成長したな)と思うもの
担当学生記者:
しぶやゆかり(25歳:取材時)
何かを”デザインする”ということ・・・。空間/もの(プロダクト)を”作り出す”こと・・・。(大学では意匠科と呼ばれるところで学べる分野なのだそうです)
インテリアデザイナーさんは、Inside Out という言葉で表されるように建物の「内部」をデザインし、その内部から外部=建築までもをトータルデザインするお仕事。内部=壁、床、天井、空間の仕切り、だけでなく、その空間に置くもの(プロダクト・製品)までもをデザイン。デザイナーさんは、コーディネーターと言われる範囲だけでなく自分の表現を元に、建物/内部/製品まで、トータルに生み出すすごい人でした。
コンセプトワーク、と言われるこの作業はまさに「頭脳」勝負のお仕事。何かを生み出す裏にある、人間の「創造」作業は、脳みそから血が出そう!(笑)そんな作業を垣間見せて頂いた気がしました。って書くとなんだか難しそうだけれど・・・。
自分が体験したてきたこと/感じてきたこと全てが一度自分の中に飲み込まれていて、それを元に表現されたものだから、と言う。だから、何かを作る直前に焦って色々なものを探し出したり、はしないのだそうです。日常から色々なものに気を配って、その”もの”がデザインされた裏側にあるコンセプトを読み取る。そういうものの見方、こそが「感性」なんですね。
こんなにお部屋をかっこよくしてもらえたら・・・!私も是非頼みたい!と思うけれど、一般の人からすれば、なんだかデザイナーに頼むって「高そう」と思いますよね。でも、そうじゃないのだそうです。
「日本ではソフトに対する価値がほとんどない。ハード代(施工代)にはお金がつくけれど、僕達のようなソフトを作るコンセプトワークは営業としか捉えてもらえない。だからどんなに良いデザインをしても、価格設定は施工料金の何%となっているんです。」 と。
つまり、デザイン、はあくまで本当に「建てる」ための営業ツールだからボツ=建てられなければ、0円。お金は入ってこないんだって!!びっくりですよね・・・。あんなに脳から血のにじむ作業を日々繰り返しているのに。。
でも、笠井さんはボツになろうが何だろうが、一つ一つの表現に対して絶対に妥協せず、一回一回を、本気・勝負をかけて、自分の120%のものを出し切っている人。そのパワーと言い、自分の作品に対するプライドと言い、本当にステキです。
いくらつらくても、120%出し切れる秘訣は何だろう・・・、と思うと。やはりそれは、この作業が心から好きなんですね。考えて考えて表現することが、本当に好きなんだな、と感じました。だから、仕事とプライベート、という分け隔てもほとんどなく毎日毎日、デザインのことを考え、表現をしつづけている。ステキじゃあないですか!
そしてもう一つ。エゴじゃないんです。アーティストじゃない。そこがステキ。あくまで、クライアントがいて、顧客の満足を満たす方法=コミュニケーション能力が非常に高いんです。自分の表現したものが一番!と思っていると、一つ間違えば自己満足の世界ですよね。でも、そうならずに「仕事」として「プロ」としてできるのはクライアント側の要望を非常によく聞いているんです。その上で、自分の提案するものを、相手が気持ちよく受け入れられるように自分のコミュニケーション能力で「持ってくる」「納得させる」。自称”詐欺師”と言っていましたが、それこそプロでしょう、と思いました。
インテリアデザイナーという職業に対して、遊びが80%
同行学生記者:
金井理恵(19歳:取材時)
インテリアデザイナーの笠井さんという方にインタビューさせていただいて、今回一番ビビビ!ときた言葉は「インテリアデザイナーという職業に対して、遊びが80%」という言葉でした。「一体世の中に、どれくらいの人が自分の仕事に対してそのような気持ちを持っているのだろう?自分の好きなことに対して、正直でいる人が私の目の前にいるんだ…」と思わずにはいられなくなりました。今の自分はどうなんだろう?と考えてみると、好きなことを実践する前にどこかためらっている所があると思います。自分にはその分野、職業が向いているのか?ということを考えすぎてぐるぐるしているんだと笠井さんを前に、感じました。「興味や書きたいなというイメージがあって、一歩ふみだすと、また新たにやりたいことが見つかる。技術はイメージを実現させる道具。」インテリアデザイナーとは「建築の内部、空間などをデザインする職業」です。でもただデザインするのではなく、きちんとコンセプトを持ってそれを形にし、相手(お客さん)に伝えるという印象がとても強かったです。大学時代の作品集を見せていただいて、確かに絵がすごくお上手ですごいな~と思いましたがそれよりも、デザインに対するコンセプトをつくるスキルに感心しました!!笠井さんから受けた印象は、全ての人が持っている「感性」というものを、自分が本当に好きなインテリアという空間で表現しているところでした。日常生活で感じるいろんなことを、決して無駄にしていないというか、そういう感性を表現する貪欲さが感じられました。
自分の作品をみて、デザイナーを志してくれるような作品を作っていきたい
同行学生記者:
中島久美子(23歳:取材時)
まずは、心に響いた言葉として、笠井さん自身、高校のときに伊丹純さんという方の作品に感銘を受けられ、それから、このような建築をデザインしてみたいと思われて、自分の進路を決められたそうですが、自分と同じように、後継の人が、自分の作品をみて、デザイナーを志してくれるような作品を作っていきたいとおっしゃっていて、作品が素晴らしいだけでなく、人を育てていこうという気持ち、自分が先輩にしてもらったことを後輩にも還元していきたいという笠井さんの広い心を感じてとても胸が温かくなりました。私自身もスキルを磨くだけでなく、そのような人格面でも優れた人間になりたいなあと思いました。なかなか難しいとは思いますが。感想としては、やはり自分のやりやいことを仕事にすべきだと思いました。笠井さんにもおっしゃっていただいたのですが」、やはり一日の大半を占める仕事が苦痛であるのと楽しいのでは雲泥の差が有ります。実に、好きな事を仕事にしてらっしゃる笠井さんは、楽しそうで、輝いていらっしゃいました。また、その作品をやりたいから、コミュ二ケーション能力が育つというお話をお聞きしたんですが、それも笠井さんのデザインに対する貪欲なまでの興味が働いてるからこそ、他の関係ない仕事上の能力までも発達させてしまうのかととても感じました。やはり、自分のやりたい事や好きな事を探し、見つけられた人は、人生においてひとつの形の幸せを獲得したといえるのでないかと思います。
伊丹 測のお陰で今の自分がいる
同行学生記者:
高雄定子(21歳:取材時)
今回の同行した件が私にとって初めての取材だったんですがまず思ったのはナビゲーターさん側から一所懸命に話して下さるんだなと感じました。取材っていうと何かこちらが”申し訳ないんですが取材させていただけますか?”というイメージがあったんですが、昨日の取材を見る限りではナビゲーターさんがご自身でさまざまな資料などを持ってきて頂いたり、オフィスを案内して下さったり、私たちの質問に対して丁寧に答えて頂いたり・・・。昨日の取材を経験して、今までの”取材”とは違う印象を受けました。
インテリデザイナーさんに関して言うと、デザイナーとは言え企業人としてのインテリアデザイナーで働く以上、思っている以上に色んな意味で自分の好きなようにはいかないものなんだなという印象を受けました。企業人である以上、利益を考慮しなければならないので、”自分の好きなように”よりも”いかに売れるか”を優先させなければならないときも少なからずあったり、自分が最初から作り上げた案を上司が営業に行かなくてはならない場合は、自分の思いが直接的に顧客に通じず悔しい思いをするときも間々あったり・・・。
感性を手段として、企業で働くことの難しさを少し垣間見たようなきがしました。確かに現実的なところもありますが、やはり感性のような”その人でなければならない”何かを生かした職業につくことの喜び、楽しさなども笠井さんのお話しを通して感じましたし、何より笠井さんご自身が本当に楽しそうに熱くインテリアデザイナーを語っていた姿がとても印象的でした。
>印象に残った一言
「伊丹 測のお陰で今の自分がいる」
これはインテリアデザイナーになったプロセスをお聞きした時に答えていただいた言葉なんですが、普通の私立高校に通っていらした笠井さんが2年生の時に出会った伊丹さんの写真集に衝撃を受けて、それがきっかけでインテリアデザイナーになろうと決めたとおっしゃっていたのですが、どんなきっかけであれ、自分の人生を決定付けるような人やモノに出会えたというその事実に対する羨ましさを感じたので、少しここで求められている趣旨とは違うかもしれませんが印象に残った一言としてここに紹介したいと思います。