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学生記者の感想

▼担当学生記者
平岡由香利(21歳:取材時)

▼取材日
2002/12/3(火)

▼取材時間
10:00~11:00

▼取材地
東京シュ-レ王子校

▼取材の雰囲気

頭で考えている価値観と、現実は違う
担当学生記者: 平岡由香利(21歳:取材時)

中村さんは、若いころから教育に関心を持ち、当時の学校の問題点などを、(現在でもそのような人がたくさん居るように、)「学校を変える」ことによって解決しようと思っていたそうです。しかし、なかなか学校の制度やカリキュラムは変わらない。そして考えれば考えるほど、重くなっていくだけだった、と。 その時に中村さんが思ったことが「子どもたちは待ってくれない」というものでした。子どもたちの苦しみは待ってはくれない。そして中村さんは市民活動団体として”自分たちで教育をつくりあげる場所”を自分の居るべき場所として選びました。

ここでの中村さんの持っていた視点のすごいところは、”子どもたちのことを一番に考えている”ということです。 私は、自分が教育をする立場になると考えても、どこだったら自分の能力が一番生かせるか、とかどんな場所なら自分らしく仕事ができるかということばかりを考えていました。しかし、教育を仕事にする人にとって一番重要なのは、”どれだけ子どものことを考えられるか”だったのです。それを基本として、今自分が何をするべきかを考えること。それが欠けていたら、どんなによい環境で仕事をしていても、自分は自分らしく生きていると思っていても、一人よがりでしかないのだと、感じました。そして中村さんのすごいところは、自分の心の声に素直だ、ということでした。変に肩肘はらずに、周りに流されず、社会の価値観、一般的思想に惑わされず、穏やかに自分らしく生きている方だと思いました。そして東京シュ-レの「自由な精神」の使い方を経験を持って知っているのだと感じました。中村さんの普段のお仕事の範囲は人によっては物理的にはせまいと言われるのかもしれません。しかし、中村さんが子どもたちひとりひとりからたくさんのことを吸収し、日々成長していらっしゃるのだと思い、自分の価値観の狭さを実感しました。中村さん、有意義な取材をありがとうございました。

仕事としてよりも、人間としてやっている
同行学生記者: 藤原佐紀子(21歳:取材時)

中村さんは仕事に就いたという感覚は持っていないと話されてました。職業というよりも、人間としてやっているという感覚だということでした。子どもと付き合っていく、子どもの話を聞く、そういうことは大人として優位に立つのではなく、子どもと人間として対等な立場でなければいけないと話されていて、今までの学校教育ではありえないことなのかもしれないと思いました。どこかで、大人や先生たちは子どもよりも優位な立場でいなければいけず、子どもたちも先生や大人の言うことは絶対だという感覚が少なからずあるのではないのでしょうか。でも、それが絶対に正しいということもないんだと思いました。中村さんは子どもたちからも多くのことを教えられたりもするし、学んでいるともおっしゃっていました。

帰りの電車で、平岡さんと澤田さんとで子どもと親と先生はどれかが飛びぬけて優位になってしまったりするのではなく、対等な立場でなければいけないねと話していました。感じたことを素直に話せる環境とそれを言える自分というのが大切なのかなと思いました。

親たちが、自前で学校を作っていたことに感動しました
同行学生記者: 青山亮子(20歳:取材時)

中村さんが就職活動の時期に東京シューレに出会い、今までの教育に対する考えが変わった瞬間です。教育学部に通っていた大学時代、中村さんは「教育」を国の制度に求めていたと言います。 学校を何とかして変えなくては、子ども達がかわいそうだと思っていたそうです。しかし、一向に教育は変わらない。いつか変わることになったとしてもその時代にいる子どもは待ってくれないのです。成長していってしまいます。そこで立ち上がったのが子どもの親たちです。子どもを不幸せにしてなるものかと市民団体東京シューレを立ち上げ、自分達で学校を作ってきました。

教育に限らず、自分も普段、実現するのが難しい方向に物事を考えていることがあるのではないかと思います。そのようなときに、正攻法で正面から攻めるのではなく、もっと別の角度から攻めて崩していくということをしてみると、案外道は見えてくるのかもしれないと考えました。

いつまでも素の自分のまなざしをもっていきたい
同行学生記者: 澤田美穂(22歳:取材時)

ある価値観に縛られて他の価値観を排除していると、ひとつの思考回路しか生まれない。当然だと思うこと、論理的に考えればこういうこと、を疑ってみることが大切だし、毎日子供にそれを教わると中村さんはおっしゃっていました。今の学校教育が間違っているとか、学校を変えていかなければならないとか、苦しんで苦しんで通常の「学校」の枠だけに縛られるのではなく、そこから一歩出てそれ以外の形、例えば一緒に社会を考えていく、応援していく学校やフリースクールを考えることで楽な発想が生まれる。私は東京シューレの子供達が他の子供と何一つ変わらないということに驚くと同時に、自分を情けなく思いました。これとはちがう、あそことはちがうと区別して偏見をもって見ているのは私達であって、当事者にとっては何にも変わらないということです。実際の授業内容は通常の「学校」より100倍楽しいと思ったし、何においても自己決定に委ねられ、責任感も養われていくのだなあと思いました。

価値観は縛られてもいけないし、自分の軸も必要です。しかし思っている以上に価値観は無意識のうちに縛られてしまうということを実感しました。より広い器でなんでもうけいれる姿勢が非常に大事だし、今の自分には必要だと思いました。

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