▼担当学生記者
栗田樹(23歳:取材時)
▼取材日
2003/5/22(木)
▼取材時間
13:00~14:00
▼取材地
東京組ショールーム@用賀
▼取材の雰囲気
すごくお洒落なショールームで取材をさせて頂きました。中野渡さんは本当に笑顔が素敵な方でした。ニコニコと嬉しそうにお話をされている中野渡さんを見て、こちらもうれしい気持ちになってしまう。そんな笑顔でした。そんな中野渡さんは小さな子供のような純粋な心の持ち主なんだと思いました。
日本人の住宅に対する意識はヨーロッパの人に比べて格段に低いそうです。その原因は大手住宅メーカーの経営方法により、住宅に関する情報が消費者に十分に届いてないからではないかと中野渡さんは言っておられました。東京組では本当に良いものをよりやすく提供するため、今は主にイタリアから建築素材を輸入して住宅を作っているのですが、これは日本の住宅事情をもっと良くしようという使命感・正義感からの取り組みでもあります。(もちろん本当に良いものを作りたいという想いからの取り組みでもありますが。)
このような使命感・正義感が原動力となっている仕事が、中野渡さんに自身の仕事に対する誇りをもたらし、だからこそ中野渡さんの笑顔は素敵なんだと思いました。
日本では衣・食はこんなに発達している(すきなタレントが着ているのと同じ服を着てみたり、数え切れないほどの雑誌が出ているファッションビジネス。世界各国のおいしい食べ物が食べれてしまい、並んでまで食べたくなるような店がたくさん存在するフードビジネス。)のに、住環境のこととなると、ほとんどの人が大手まかせで、衣・食に対するほどの貪欲さをもっていない。 これは最近、私がすごく関心を寄せていたことだったので、実際に住宅業に関わる仕事の方からこういうお話を聞けたことで、「やはりそうなのか。」という確信を得たような感覚を覚えました。
そういった遅れた分野に携わることを「楽い」とおっしゃるのは、まだみんなが気づいていないステキな幸せに気付き喜んでもらえるからなのかな、と思いました。でもそれってステキなこと。今まで知らなかった幸せに気付くことってほんとうにハッピーな気分になると思います。
そして、地域との共存。 よくテレビなどで紹介されるような「ステキなおうち」というのは、ほんとうにステキなのだけれど、そればっかりが地域の中で自己主張してしまっていて、地域の中にどうなじむのかという視点が欠けているなと感じていました。中野渡さんは、HPのなかで美しい街並みづくりをしたいと書いていたので、周囲との共存について伺ってみたところ、もちろん周囲と共存させて美しい街並み作りはしたいけれど、実際には、それぞれのお客さんのニーズもあるし、設計事務所もバラバラ難しい、でも、一軒一軒美しいものに仕上げていけば、全体として美しい街並みになるだろうとおっしゃっていました。
オランダのアムステルダムなども、一軒一軒はバラバラのデザインで、揃っているわけではないのに、なぜか美しかったそうです。そう思ってみれば、私が住んでいる場所も、けっこう下町で、昔ながらの畳屋さんや八百屋さんや和菓子屋さんなどが並ぶ商店街があります。けれど最近になって汚い配色の看板の電気屋さんや99円ショップなどが乱入してきてかなりの外観を損ねられ、腹立たしさのあまり、必要なものがあっても入らないようにしたりと無駄に反発してみたりします。(99円ショップは便利で安いからつい入ってしまうけれど・・・)
電気屋さんはやはり地域の皆さんも受け入れられないのか、毎日閑散としていて、閉店も秒読みという感じです。そういうことがあって初めて私は自分の住んでいる地域は、何気にそれぞれの建物が共存しあって建っていたのだなぁと気付きました。それぞれバラバラのデザインなのになぜか同じような空気(オーラ?)を発して、共存しあっているのはなぜだろう?これは私がこれから空間づくりに関わっていきたいというところから、すごく重要な要素です。
中野渡さんも「バラバラなのになぜだか美しい」とおっしゃっていたから、その答えを見つけるのは難しいかもしれないけれど、少しずつでもヒントを見つけていきたいです。中野渡さんがおっしゃっていたような今まで行った海外で街並みが綺麗だと感じたというところに行ってみて観察してみるのもいいなと思いました。これから、日本に住む人がもっともっと住まいへのいい意味での貪欲さをもつことで、居心地のいい街並みをいくつもいくつもつくっていけたらどんなにステキなことだろう・・・ そんなことを思った取材でした。