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学生記者の感想

▼担当学生記者
金子良平(21歳:取材時)

▼取材日
2004/3/30(火)

▼取材時間
10:00~12:00

▼取材地
ナビゲーターさんのオフィス@六本木

▼取材の雰囲気
空調の行き届いた綺麗なお部屋、眺めの良い景色、そして心地よいバックミュージックが流れる中、ときにはユーモアがありときには厳しさがある田坂さんのお話をお聞きすることができました。田坂さんの面白い話で談笑ムードになることもあれば、田坂さんの人生論に皆ひき込まれるように聞きいってしまい、時間が止まっているかのような感覚を持つ場面もありました。

ノブリス・オブリージュ
担当学生記者: 金子良平(21歳:取材時)

英語で、「高貴な人間の持つ義務」という意味です。田坂さんは、「日本のように戦争がなく、経済的に豊かで、物があふれていて、高度な教育が受けられて、健康長寿の国で暮らせる人は世の中の1%に満たない」とおっしゃっていて、これだけ恵まれた環境に生まれたことに感謝する気持ちを持ち、視点を世界レベルに広げれば、「あの大学に落ちちゃったよ」「あの会社には入れなかったよ」という悩みなんかちっぽけなものになる、とおっしゃっていました。そして、その恵まれているという事実に対してただ「ラッキー」と思い終わってしまうのではなく、我々には世の中のために何かをする「使命」があるのだ、ということを心に抱きながら生きていきたいとおっしゃっていました。

このオンリーワンワードの意味を考えながら、私は、「使命」というほど大仰なものではないのですが、「誰かのためになることをしたい、していたい」という気持ちを忘れずに大切にしていこうと思いました。ただ、こう考えるときにはいつも「他人のことにばかり手を回しているのは、自分を見つめることから逃げるためでは?」という悩みが出てきます。たとえば実際、今働いているアルバイト先での話なのですが、社員が一人辞めてしまい、店長が毎日休みなしで一日15時間近く働いているという状況が一ヶ月以上続いています。とてもお世話になった方ですし、「何とか店長の負担を軽くしてあげたい」と思い、アルバイトの時間を増やしました。でも、その結果削っているのは、周りは就職活動、というこの時期にきちんと自分と向き合う時間です。自分を見つめる時間を削って、アルバイトに費やしている。これって、自分から逃げているのではないか?これでいいのか?と悩みました。

しかし、田坂さんのお話を聞いて、ぽんと背中を押された気分になりました。「店長を助けたい」と素直に感じる自分がいることも事実ですし、それにやりがいを感じる自分がいることも事実です。その素直な気持ちを無理に抑え込まずに受け入れて、大切にしていきたいと思いました。それが自分のこれからを決めていく上での軸となるかもしれないからです。

もっと色んな人の人生を見るべき
同行学生記者: 伊東裕恵(20歳:取材時)

色んな人の人生を見るって簡単なことのように思えますが、実際はそうしようと意識して、自分から能動的に求めていかないとなかなかできません。アフリカの貧しい人たちや、この日本の国内でも会社が倒産して辛い思いを抱えている人たちが多くいるのに、こういった人たちに対して可哀相という思いの裏で、心のどこかで人事のように感じている冷たい自分がいます。自分のことや自分の周りのことで手がいっぱいで、もっと遠くで起こっていることを思いやる心の余裕がないのかもしれません。

自分と似た境遇の人と付き合うのは楽だし楽しいので、その世界で小さくまとまってしまいがちなのですが、それで満足していたら視野も狭いままだし、自分自身つまらない人間になってしまうと思うので、これからは色んな人の人生を見るだけでなく、その人生と積極的に自分から交わっていきたいです。

過去を悔い、未来を憂うことに時間を費やすのではなく、今、このとき、奇跡の瞬間を生きる
同行学生記者: 飯田薫(19歳:取材時)

お話を聞く中で、個人的に二つ思うことがありました。 まず、一つ目。田坂さんはマクロな視点を持つことが出来る方でした。マクロな視点とは、例えば社会を見る目であったり、未来を見る目であったり。私の中にはどうしたらそのような視点にたつことが出来るのだろう、という疑問がありました。というのも、複雑な社会や未来を“読む”ことはとても難しいことだと思うからです。それまで私は、頭がいいからそのように見れるのだ、と思っていたのですが。勿論その要因もあると思うのですが、それに加えて、周囲への思い、感謝、周囲の人々を大切だと思う心、それがあるように思われました。当たり前のことですが、マクロとは、周囲のことでしょう。そこへの思い、興味・関心があるから、自ずと視点も広がってゆく。

次に、田坂さんの情熱の所以です。よく思うことなのですが、人はどうして強い思いを持ち続けることが出来るのか。その理由には多くのものがあると思いますが、その主たるものの一つに“死生観”があると思いました。人は、生まれ、死ぬ。加えて言うのなら、いつ死ぬかわからない。田坂さんはこのように言っていました。だから、今を生きる。このときこの一瞬を。過去を悔い、未来を憂うことに時間を費やすのではなく、今、このとき、奇跡の瞬間を生きる、と言っていました。それを知っているからこそ、強くもなれる、そう、思いました。

私に必要なのは、実動です。もちろん、人の話を聞くこともとても大切です。実際に何かをするには時間がかかるのですべてをいっぺんにやることはできませんが、少しずつ、自分のやりたいことをやっていこうと思います。

やりたいことがあるとかの以前に、やるべき事がある
同行学生記者: 松崎隆(22歳:取材時)

このオンリーワンワードは、豊かな環境に生まれてきたことへの感謝を忘れてはいけない、という意味でおっしゃっていました。実際、自分も海外へ出た時に、教育等を満足に受けられない人達を見て、自分はなんて生ぬるい生活を送っているんだ、やるべき事があるんじゃないか?と素直に感じたことがありました。何か強い問題意識を持つ以前に、すでに自分にやるべき事があるのでは?という感情を改めて感じました。

ただ自分は、日々の忙しさや楽しいこと等でそういった気持ちが薄れていってしまいがちです。自分には、問題意識であったり、今すべき事を常に問い続けることが欠けていると感じました。心の声に耳を傾けて、行動に移していけるようになりたいと思いました。

「専門知識」ではなくて「職業的な智恵」をつけなさい
同行学生記者: 菊池佐絵(19歳:取材時)

田坂さんは、今はひと昔前と違ってビジネスモデルがどんどん変化している時代だし、インターネットの普及によって簡単に情報を得られる時代になったのだから、専門知識をつけることだけに力を注ぐのではなくて職業的な智恵―企画力・会議力・コミュニケーション能力などなど―をつけなさい!とおっしゃっていました。そして、それはどんな社会や環境に行っても通用するものだよ、と教えて下さいました。

職業的な智恵・・・。今の時代(特に)、専門知識だけでは仕事ができないということは、これまでにも何度か聞いてきました。でも、今の私に足りないのがまさにこれかもしれません。色々と追い込まれている今、特にそう感じます。昔から、周りの人に“ツメが甘い”とよく言われてきました。今でも一人の人間として生きる、ということができて いないように思います。しっかり自分と向き合って真剣に生きていかなければ、後々後悔する気がしています。弱いのに怠慢な自分を脱して、本当に強い自分になりたいと思いました。

 

人としてこの恵まれた境遇に生まれたんだからすべきことがある
同行学生記者: 綿岡加奈子(22歳:取材時)

私達日本人は、経済、教育、健康、平和などたくさんの素晴らしい要素を兼ね備えた、最高に恵まれた環境で生きている。そのような幸せな環境の下で素晴らしい教育を受けられたのだから、私達はその恩恵を自分個人のためだけに使うべきではない。他の人に役立つ何かをすべきであり、私達にはそういう使命がある。働くとは、「側(ハタ)の人を楽(ラク)にさせるもの」であり、ただ「好き」だけではもったいない。自分の働きのその先にあるものをいつも意識し、何かのために、誰かのためになるということを意識しながら働くべきだ。

私の中で「働く」ということは、好きなことを追求したその先にあるものであり、好きなことの延長のようなものでした。今考えるとただ自分に収斂してしまっていたのかもしれません。だから、「"好き"だけじゃ寂しいでしょ。」と言われて、驚きました。

私のやりたいことは、世界の情報の不均一化、不正確さの改善です。簡単に言えば、多くの人に正確な世界中の情報が届くメディア作り、もしくはそれに関わることです。確かに今は情報社会で私達の身の回りには情報が溢れかえっています。しかし、世界的な目で見るとまだまだ不十分だと私は思います。今まではその不均一さがただ嫌だから、気になっていたから変えたいのだと思っていました。しかし実際それは自分がその被害を被ったり、被った人を見てきたからでした。そしてそれを被る人数を減らしたいという思いが裏にあったからかもしれません。仕事を始めることになった時、私がそれに携わることによって一人でも多くの人がそのような思いをしないですむようにしたいという思いを持ち続けられたら、きっと本当に働き甲斐があるだろうと思います。

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