▼担当学生記者
西裕美(22歳:取材時)
▼取材日
2004/6/25(金)
▼取材時間
13:30~15:00
▼取材地
伊藤風呂店の作業場@根津
▼取材の雰囲気
木くずにまみれ気味の作業場で、始めに私たちの座るベンチを、小さな台を離して置きその上に桶の材料の角材を2本渡してその上に座布団を敷いてこしらえて下さいました。
色々と気を使って下さって(お茶や鯛焼き、写真など)、すぐに緊張も緩み、インタビューにはいると、熱心に仕事に対する思いを語って下さいました。また同行を含め、質問に対して答えるというキャッチボールがうまくいったと思います。
格好やお部屋などは、自分に自信があるから特別飾らないというスタイルがとても職人さんらしいと感じました。
一つのことにこだわり自分の仕事にプライドを持っていらっしゃる宮原さんは、とってもステキな方でした!職人さんということで、頑固で気むずかしい方だったらどうしよう…という不安を抱いて会いに行きましたが、実際の宮原さんは、仕事に自信を持っているからこそ、自分自身を飾ることなく気さくに話して下さいました。
オンリーワンワードを聞いたときに職人さんらしい言葉だと思いました。本当によい物が分かって実感されている言葉だと思いました。 私は美術展などによく見に行くのですが、とても心を引かれる作品に出会うことがあります。でもどうしてなのか分からないことがありました。それが宮原さんのこの言葉で納得できました。本気で気持ちを込めて作った物は、魂が宿り、ある種の緊張感を発しているのだと思いました。
手仕事で作られている日用品は、数十年前に比べ圧倒的に需要が減っていると思います。その中で宮原さんがお仕事を続けて来られた理由の一つは「特別な営業をしなくても、本当に良い物であればお客がいなくなることはない。」と言う自信を持って、覚悟とこだわりを貫いていらっしゃるからだと思いました。宮原さんの「仕事が好きでどこまでも上を目指して行くことは楽しい」という言葉は、とても魅力的で、人の原点のようで理想的な生き方だと感じました。
自分でこだわりを持って、こつこつとやっていきたいという宮原さんには風呂桶作りの仕事がしっくりきているようでした。売れるものを作るではなく、良いものを作れば売れるという考え方はさすが職人さん!と思わされました。やはり職人さんは格好良いです。
宮原さんにとっては風呂桶作りが決めたものにあたります。何年もかかって得ることのできた技術には、自信が伴います。見た目の格好良さにはこだわらないところに中身の格好良さをみることができました。それは決めたものを自分のものにした証です。“仕事をただこなすのではなく、自分の糧にしていく”格好良くなるために、そういう意識を持って働いていきたいと思いました。様々なお仕事をされている方に出会って感じることは自分が輝ける仕事を見つけたというよりは自らの働きかけで輝ける仕事にした方がほとんどであるということです。宮原さんも技術を得ながら、輝ける仕事に近づいていったのだと感じました。