▼担当学生記者
建部倫子(20歳:取材時)
▼取材日
2004/8/13(金)
▼取材時間
11:00~12:30
▼取材地
カフェ@千代田区
▼取材の雰囲気
半蔵門駅周辺のカフェで取材をさせて頂きました。
ヒダノさんが身振り手振りを交えながら、笑顔で質問に答えて下さったおかげで、とても和やかな雰囲気で取材を行うことができました。取材後は、ヒダノさんにとって馴染みのある国立劇場までご一緒させて頂きました。
2002年の日韓共催のワールドカップの決勝戦の前に世界200カ国に生中継される中でソロ演奏をした時に、本当に快感だったというヒダノさんの言葉がとても印象的でした。スタジアムの観客、そしてTVの向こうで観ている数え切れないくらい大勢の世界の人々がその瞬間、自分だけを見ているということは一生を通しても誰もがそう体験できることではありません。そうした、貴重な快感を味わえる権利を得られるだけの努力や苦労を人一倍ヒダノさんはされてきたのだと思います。
「死ぬ気で頑張る」という言葉をよく耳にしますが、そこまでの努力をした上で「もう死んでもいい」と思える地点まで達することは並大抵のことではありません。そう考えた時、「もう死んでもいいと思った」とおっしゃったヒダノさんに対して尊敬の念を抱きました。ヒダノさんまでのスケールで生きていくことは難しいかもしれませんが私もできるだけ夢は大きく、志は高くもって生きていきたいと心から感じました。
この言葉がとても印象的でした。お話のなかで、“真っ白になる”という言葉が何度か出てきたのですが、これがヒダノさんにとっての感覚、直感なのだと感じました。太鼓の音は人間の耳には聞こえないような低音部が多いため、音を聞くというより体で感じるものだ、とおっしゃっていて、“真っ白になる”というのはまさに体全身で感じている状態なのだと思いました。
今回の取材を通して、ヒダノさんは体全身で感じたことを常に受け止め、それに素直に従って今日まで来られたのではないかと思いました。自分の感性を強く信じ、自分にとって心地よい、満足だと感じるものに対して、周りの目や声、はたまた歴史や伝統といったものさえ気にすることなく素直に表現して、自分の気持ちをさらけ出して解放してきたように感じられました。それが今のヒダノさんの演奏スタイルにもなり、演奏しているときに真っ白になれるという言葉にもつながっているのではないでしょうか。
自分の感覚や直感を信じてそれに素直に従って進んでいくことは、なかなかできるようでできないことだと思います。当然リスクがあったり、それなりに勇気がいることだと思います。僕自身も直感に従うよりも、論理的に物事を考えていくことが多いです。だからこそ、自分の感覚を信じて行動し、今でも自分の選択は間違っていなかったと言い切れるヒダノさんはカッコいいと思いました。そして何より、和太鼓の音を1人でも多くの人に聞いてもらいたい、全身で感じてもらいたい、という想いで太鼓を叩き続けているヒダノさんの姿がカッコいいと思いました!