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学生記者の感想

▼担当学生記者
鈴木美穂(21歳:取材時)

▼取材日
2005/3/17(木)

▼取材時間
15:00~17:00

▼取材地
旭山動物園事務所

▼取材の雰囲気
旭山動物園の裏側にある事務所にて取材は行われました。休園日であるにも関わらず、電話が鳴りっぱなしであったり、トランシーバーで他に取材に来たお客様や職員の方に呼ばれることが何度もあり、旭山動物園の人気ぶりと坂東さんの毎日の忙しさを物語っていました。坂東さんは命ある生き物や動物園への想いなど、真剣に語ってくれました。何事にも真っ直ぐな坂東さんの姿はとても格好良く、8人全員が瞬きを忘れるくらい、お話に吸い込まれていました。

みんなが右行ったら、一回左を向いてみたい。もしそれで答えが右であったとしても、一回左向いた後で、やっぱり右だったんだって思いたい
担当学生記者: 鈴木美穂(21歳:取材時)

坂東さんは昔から常識って何なんだ?と思っていたそうで、「常識の中で生きることは楽だと思う」とおっしゃっていました。坂東さんはたとえ大失敗するかもしれないけど、自分が納得する道を選んだ生き方をしている、と思いました。公務員だからってあたえられた仕事して終わりではなく、自分が動かないとつまらないという言葉も心に響きました。私も本当は、自分が好きなように生きたいんです。でも、傷つくのが怖くて、みんなと同じルールの中で生きる道を選んできました。でも坂東さんは違う。周りに流されず、自分の気持ちに素直に生きている。それは坂東さんが自分の人生に対して真剣だからだと思いました。私は今まで物事をきちんと考えず、適当に終わらせてしまうことがほとんどであったように思います。きっと深く考えることが面倒くさくて、何も感じない振りをしてきたのだと思います。全部人まかせで、自分が変えていくんだっていう気持ちを抑えてしまっていました。自分の人生に対して、甘えがあったな、真剣に生きてなかったなと思いました。でも、坂東さんに出会って、もっと自分で納得した生き方をしたい、自分の人生に誇りを持ちたいと思うようになりました。

もう一つ確信したことはやはり私は動物が好きだということです。動物園を見学させてもらったとき、動物が可愛くてしょうがなかったんです。動物って見てると飽きないんですよね。おさるさんが他のおさるさんの毛のノミみたいのをとっている様子、熊さんやペンギンさんが僕を見てよ!って言っているかのように私達の方へ自ら寄ってくる姿、がおーってほえて堂々としているライオン。やっぱり自分にないものを持っている生き物って魅力的です。この経験によって、今まであまり気にしていなかったハトや昆虫などの身近な動物にも目を向けるようになり、一緒に生きていこうという気持ちが少しずつ出てきたような気がしています。

なんだかんだ言って、彼らはあそこで一生過ごす
同行学生記者: 秋川僚平(20歳:取材時)

自分を持っている方だということ。とても使い古された言葉だけれど、まずはそう思いました。そして、自分に正直に生きている。だから、行動に矛盾が無いのだと思います。自分に正直に生きるということは、とても難しい。複雑にこんがらがった社会では、自分を貫くことで多くの不利益を被ります。うまく生きていくためには、多少の飾りや嘘を上手く使いこなすこと、それが一番楽な方法です。そういうのって、とても汚いし、気持ちのいいものではありません。それでも、仕方がないのかな、と今まで諦めていました。でも今回の取材で、自分を貫きながらも上手く生きている坂東さんにお会いして、「ああ、こういう人もいるんだ」と思い、少し考え方が変わりました。だからと言って、いきなり行動に移すことができるかと考えると、できないと思います。むしろ、できるなんて軽々しく言う方がきれいごとだと思うので。でも、とにかく考えが少し変わったわけだから、少しずつだろうけれど行動にも反映されるのではないかと思います。そして、坂東さんは、繊細というか敏感というか、センシティヴな方のように思えました。坂東さんの考え方・物の見方というのは、そこから来るものなのだと思います。でも、今はそういう感度の高い人が少ないから、考え方自体が特別なもののように思えてしまうのではないでしょうか。特別なのは、その考え方にあるのではなく、その感度の高さにあると思います。坂東さんの考えには、共感する部分や考えさせられる部分がたくさんあり、とても有意義な取材になったことは間違いの無い事実です。でも、それが本質的なものだとか高等なものだとか、そういうことではないと思います。「君の立場からすれば君は正しい。僕の立場からすれば僕は正しい。」ってやつです。ただ、考えの違いを知って、鵜呑みせずとも、いろいろ影響を受けつつ、自分の立場というのを形作っていくということ。そういうスタンスがちょうどいいのかなあ、なんて今は思っています。

動物は自分のこと「すごい!」とは思っていないけれど、僕はその「すごい!」を見つけて、伝えたい!それを伝えるのが自分の仕事
同行学生記者: 谷口弥生(19歳:取材時)
今回の取材は、今までの取材とは何か違うなと思っていました。 私個人としては、今まではナビさんの“好きなことに一直線”、“好きなことなら努力も苦にならない”という姿勢が心に残ってきました。しかし、板東さんが扱ってるもの、矛先、一生懸命になっているものそれっていうのは、命ある動物であって他のナビさんとは比べようもないほどのものを扱っいるからなんじゃないかなと思いました。だから、私には特別なものに感じたのだと思います。今の旭山動物園が出来るまでは、すごく努力もしたと思うし、また従来の動物園とは違うものを作るには常に背後には大失敗がある状況にあったと思います。それでも、自分の飼ってる動物達をよりよく見せたい!!という板東さんの熱意。私は、そういう板東さんの一直線なところに胸打たれ最後の最後で泣いてしまった気がしました。やっぱり“自分はこれがやりたいんだ!”みたいに何かに向かって頑張ってる人、熱い人は本当に好きです。人の心を動かすんだと思います。板東さんに会えて良かった。

命が飽きられるのが悔しい
同行学生記者: 中桐由貴子(21歳:取材時)

坂東さんからは、動物へのひたむきな愛情がすっごく伝わってきました。でも、決して押し付けとか狙ったものではないのです。本当に「動物たち(命あるのも)のありのままの姿を伝えたい!命の大切さを伝えたい!」という想いがあって、「当たり前の事を当たり前にしているだけなんだよ」とさらっとおっしゃっていました。本当にとても謙虚というか、全然偉そうにしないし、そんな熱い想いに衝撃を受けました。

「常識」のお話がでた時、最初私は理解できなかったんです。分かったつもりになっていただけで、しっかり自分の中に落とし込んでいなかった。後になって、私はいかに作られた…というか、偏った(?)常識に縛られているかを感じました。何も考えずに高校へ進み、大学へ行き、今は就活。言われたことに、疑問を感じることなく(感じても歯向かう力もなく)、ただ過ごしてきました。別にそれが悪いことだとは思いませんが、私は考えることから逃げてばかりだと改めて感じ、坂東さんの言葉がヒシヒシ自分にささってきました。特に「大学は目的があって行くところ」という一言に…。動物に対するひたむきな想い、逆に自分のあまりの情けなさにお話を聞いていて涙が止まらなくなってしまったのだと思います。私はお話を聞いて、「もっと身近なところから考えていこう」と改めて感じました。命が大切って言われるけれど自分はどれだけそのことに注意を払ってきたのか、と考えました。結局口だけで実際どこか遠くの話と感じていた部分があると思いました。旭山動物園では、みんなに名前があってとても身近に感じることができました。そうやって身近なところから全体を見ていくことが大切なんだと実感することができました。坂東さんにお会いできて「意志があれば道はある」と感じてしまいました。旭山動物園は私の中の動物園とは全く違っていました。あんなに生き生きとした姿に改めてスゴイ!と感じます。 夏と冬では、ガラッと変わるとのことなので、是非また動物達に会いに行きたいです。

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同行学生記者: 桑原葵(23歳:取材時)

取材後の気分を一言で表すと、「悲しい」という感じでした。 取材中は、興奮したり、感動したり、共感したり、感情が熱く動いていたのですが、終わってみると、なぜか静かに悲しい気分でした。なぜ、あんなにいい取材だったのに悲しいのか。それはたぶん、坂東さんが実行したことや大事にしてきたことを、僕は途中で投げ出してしまったからだと思います。それもかなり初期の段階で。

小学生くらいの時から僕は動物が大好きで、動物園のライオンやペンギンから道端のイモリやカエルやアリまで、優劣を付けることなくどれもすごくて面白い存在だと思っていました。毎週動物園に通ったり、帰り道でナメクジを拾ってきて飼ったり、飽きることがありませんでした。その一方で、疑問に思っていたこともありました。動物園の動物は、なんだか汚い檻の中で、いつも所在なさそうな顔をしている。なんで人間は他の動物をこんな所に閉じ込めて、見て楽しんでるんだろう?可愛い可愛いって簡単に言うけど、動物はぬいぐるみじゃない。ペットショップでは、いつも綺麗に手入れされた動物達が、高い値段で買われていく。なんで金を払って動物を買うんだろう?どうして高い動物と安い動物がいるんだろう?動物なら、ペットショップに行かなくたって身の回りに沢山いるはずなのに。中学高校と進むにつれて、そういう気持ちが、段々と社会問題と結び付くようになりました。それまでゆったりとした流れの中で調和していた自然を、人間は物凄い勢いで破壊している。自分達が動物の一番上に立っていると勘違いしている。そういうことを痛切に感じるようになり、自分に何ができるか考えました。自分なりに、環境に配慮して物を選んだり、安易に物を捨てないようにしたり、色々工夫はしてみたのですが、そのうちに自分一人が些細な努力を続けていても何もならないように思えてきたのです。突き詰めて考えていくと、自分が今人間社会の中で生きているということそのものが、自然を破壊することに貢献していると思えて、最終的には死ぬしかないんじゃないかと思えてきました。僕はそうやって、大した行動も起こさないうちに自分の中で行き詰まって苦しくなって、その結果、そういう考えや価値観を投げ出してしまったのでした。だから、同じような価値観を持ち続けて、それを仕事にして、さらに自分なりの工夫を続けている坂東さんを見て、自分が何もしないうちに諦めてしまったことが悲しく思えたのだと思います。そして、周りの評判や固定観念に流されることなく、自分が本当にいいと思うことだけを実行している坂東さんをカッコいいと思うと同時に、それを素直に認めることが、今までの自分を否定するようで辛いという気持ちもありました。今、以前よりは気持ちに余裕を持って、人間と自然について考えることができるようになっていますが、具体的に何をしていくかということは、まだ見えていません。でも、少なくともこれからはその自分の感覚を大事にしたいと思っているし、そのことが、色々な決定の場面で影響を及ぼすだろうと思っています。時間を掛けて、自分にできることを探っていこうと思います。

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同行学生記者: 兵藤あゆ香(22歳:取材時)

板東さんは私にとって、「自分の心の中の引っかかりを見落として生きていることは何か違うことだ」という感覚を、思い出させてくれた方でした。多くの人が思考停止状態になってしまってそれを「常識」と呼んでいる時、板東さんは立ち止まって、「本当にそうか?真実は何か。」を自分自身で見きわめることを怠らない方だな、と私は感じていました。そうしたことの積み重ねが、本当に動物が求めているものを感じ取ることになり、自然と既存の動物園にはあり得ない展示方法を行う運びとなったのでしょう。周囲から見れば、常識をうち破った方法で。しかし、ご本人にとってはとても当たり前のことをやったに過ぎないということでした。板東さんにとっては当たり前のことが常識で思いつかない方法なのだとするとそれは、ただ物事を見るとき、既にある概念にとらわれずに、一つ一つ自身の体で感じ取ることをしない人が多いのに対して、板東さんがそれを実行している、その違いなのではないかと私は思うのです。

ふり返って私は、ある時まで何に対しても自分で確信が持てるまでは何事もうのみにしないことができていましたが、ある時から考えることがおっくうになり思考を停止するようになってしまっていました。それが板東さんにお会いして、以前の何に対しても問題意識を感じることができていた自分を思い出し、今後はやはり自分の頭で考え、心に引っかかった疑問一つ一つを大切にしていきたいという思いに至りました。

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