|
日本により多くの経営者を生み出したいという想いをもつ藤沢さん。 藤沢さん自身は経営というものをどのような感覚で捉えているのだろうか。 藤沢さんは「経営と自転車」には似ているところがあると言う。 記: どうしたら経営者的な視点や能力を持った人材になれるのでしょうか 藤沢さん: 一番簡単で確実なのは自分が経営者になることです。私は最近自転車の例をよく出すんです。自転車に乗れるようになるのってだいたい小学校1年くらいでしょうか。私も経験があるんですが、最初は乗れませんよね。最初は何度も何度も転びます。でも乗れた瞬間もう一生忘れないですよね。乗れてしまえば、あんなに大変だったものが「あーこんなものか」と思うようになるわけです。経営も私はそれに近いと思っています。みんなが思っているほど怖くないと思います。皆起業というのを転ぶから乗りたくないって言います。でも違います。転ぶからこそ乗れるようになるのと同じで失敗するから経営者になれるのです。自転車に乗って大事故、大怪我になってしまってはだめですね。だから車のいないところで乗るなど工夫はするわけです。経営も同じ。大事故にならないように気をつけます。でもそもそも自転車の練習をしていてそんなに大きな怪我をすることなんてないでしょう。そういうことだと思います。20代後半の人がやるビジネスで何十億円なんていう大金をかけてするビジネスはほとんどありません。せいぜい何百万の単位で済む。決して小さい額ではないけれど、返せない額ではないです。死ぬようなことはありません。でも世の中の人は自転車を前にしてあまりに構えすぎです。または『自転車の乗り方』って分厚い本をじっと見ていて、いつまでたってもやろうとしないという状態です。いつまでたっても「いやー転んだら痛いでしょ」と乗らないのです。やらないとわかりません。それにやって気がつくことのほうが多いです。 記: 起業する上で志は必要だと思いますか。 藤沢さん: 志は確かに大事です。でも志のあるなしで、経営をするしないを決める必要はないと思います。自転車を乗るのに志があるないは必要ありません。確かにあったほうがいいです。でも「とりあえずやってみる」でいいです。たとえば就職だってそうじゃないですか。就職する前に志があったほうがいいけど、だいたいその前に就職するでしょう(笑)。あまりに起業ということを重く見ているような気がします。起業はツールです。逆に言えば起業して経営者になったら終わりではない。乗ることは単なる第一ステップでしかないのです。起業して安心する人がいるんだけど、それはおかしい。大事なのは起業してどこに向かいたいかです。もちろん失敗もします。でも、失敗してもいいと思っては何も身に付きません。考えても転ぶ、失敗してしまうことはあります。でもそうしたら失敗から立ち上がるマニュアルなんてないですから、もう一度自分で立ち上がるしかありません。 記: 経営をする上で、大事だと思うものは何ですか? 藤沢さん: 私は経営する上で大事なものは3つあると思います。1つはお客さん。自分はこの人のために仕事しているのだという意識を持つことです。2つ目はパートナー。パートナーというのは部下とか社員という意味ではありません。自分はこの部分は欠けているけれど、あの人はそれを持っている人です。それから3つ目は師匠ですね。やはり経営自体というのは自転車以上に不確定要素が多いものです。ある程度教えてくれる先生のような存在がいないと難しいものです。特に転んだときに「お前失敗したぞ、わかっているのか」と言ってくれる人がいるのは大事なことです。失敗から立ち上がるということにおいては特に師匠が大事でしょうね。 記: 藤沢さんにも師匠はいらっしゃるのですか。 藤沢さん: 特定の師匠はいません。でも私には同世代から30代後半くらいの尊敬できる人が100人います。「この人達のために生きていきたい」と思える、パートナーであり、師匠でもあるような人たちです。いろんな部分で彼らから学んでいます。「100人師匠制」です。彼らからいろんな面で学んでいます。仕事の営業面、人間的な生き方、志、たくさんあります。 記: 100人というのはすごいですね。ということは日頃から多くの人と出会う機会をもつように心掛けているのですか。 藤沢さん: 自分から多くの人と出会うように心がけています。極めて大事だと思います。1人の人間の能力というのはある程度限界があります。10が100にはなりません。別の言い方をすると、世界中にはたくさんの本がありますよね。その莫大な本のうち我々が一生に読める本なんて0.1パーセントもありません。しかも実際に世の中で起きていることは本に載ってないことばかりです。1人の人間の能力では限界がきます。自分が分かっていることなんて世の中のせいぜい1%だと思ったほうがいいです。では、そういう状況でもなんで大きな間違いをせずに経営をできるのかというと、師匠であり、仲間の存在があるからです。 記: 確かに人から学ぶことというのは大きいですよね。 藤沢さん: 本と人と比べた時に、学びを得る上での違いは何でしょう。私がおもっているのは人の場合は成長するということです。本を一冊読んだら10年後に勝手に10冊になったりしないですよね。でも人は成長する。20歳の時に影響を受けた仲間たちと40歳になって会ったとき、また彼らからいろいろと学ぶことができるのです。20年経ったら彼らはまた一段と成長しますから。リアルタイムに現在起きている事象を彼らは感じ、吸収して生きているわけですからその彼らから学ぶことは非常に大きいです。確かに本も大事、でも私にとって本以上に学べるのは人なのです。 |