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ムーブメントが去り、ネットワークは一旦途絶えた。 それまで主に大学の以外の場所で活動してきた藤沢さんだが、復学して経営を学ぼうと志す。 記: ここまでお話いただいたような活動を、休学して実践されていたということですが、休学するということに対して迷いはなかったのですか。 藤沢さん: 当時の私は、学生で何年いるとか就職とかどうでもいい、と思っていました。ある時大学で勉強することに意味を感じなくなって、「大学を辞める」と親に言ったのです。その時はかなり怒られました。それで休学するのは0円だったし、別に大学を辞めることが目的ではないなと考え直して、大学はやめず休学をして大学の外で活動していました。 記: 休学を通して変化はありましたか。 藤沢さん: 一回社会に出てみて、すごく勉強したくなりました。いかに自分が何も分からないかというのがよくわかったんです。結果的には休学という選択肢を選んだのは正解でした。勉強したいという気持ちになって戻れたというのもよかったし、その後大学を卒業して就職できたというのは私にとって大きかったです。さらさら会社で働く気はありませんでした。でもマッキンゼー(注3)という会社だったら行ってもいいと思えたのです。就職して何が一番大きかったかというと自信がついたことです。大企業の役員だろうが、ベンチャー企業の有名な社長だろうが萎縮することはなくなりましたね。 記: 会社を選んだ基準というのはなんだったのですか。
藤沢さん: 若者が出会う場を作ろうとサロンを自分でやっていて、経営って大事だなって思ったんです。好きなことを仕事にしていくためには自分のやりたいことをしつつ儲けを出すということが必要になってきます。サロンを店長として経営していた時、儲けることに関してはさっぱりわかっていませんでした。「学ばなければだめだな」と思ったんです。 本を読んだり、経営を学べそうなゼミに入りました。当時は経営を学ぶには本を読むことだなどと思って「日経新聞」を読んだり、「日経ビジネス」をとったりしていました。それでも「経営ってこんなもんか」という位にしか思わず、全然わかっていませんでした。とにかく経営を学びたかったんです。マッキンゼーに入れば経営の勉強ができるだろうと思いました。今思えば自分でやるのが一番よかったんだけれど、その時はそのように思い至らずそうしました。その時の自分からして、一番いいと思う選択だったのでしょう。 記: 一橋大学の社会学部からそういった方面に進む人というのはけっこう多いものなのですか。 藤沢さん: 商学部とか経済学部からマッキンゼーに入っている人というのは意外に少ないです。半分以上が理系です。当時私の入社する年は一橋大学から3人マッキンゼーに入社しましたが、私は社会学部、もう一人も社会学部、それから法学部でした。やはり日本の大学のカリキュラムは実学的ではないのでしょう。表面的で使えないんです。面接官が「ちょっと考えてみてください」というように問いを与えて試してみると、学校でやったことではほとんど表面的で役に立たないんです。面接官からすれば浅いと感じてしまうのでしょう。ほとんど経済の理論とか知らない学生が一生懸命考えて答えたほうが意外といい答えがでてきたりします。 記: コンサルタントという仕事をしている人は論理的な思考を求められると思うのですが、論理的な思考というのはどのようにしたら身に付けられるのですか? 藤沢さん: ちょっとした訓練ですね。論理的な思考能力を鍛えるには決定し続けなければいけないのです。たとえばすごく寒い日に喫茶店で注文する時に、メニュー表を見てすぐにコカ・コーラと決めるとします。「なぜこの寒いなかコーラを頼むの」と一緒にいる人は驚いて聞いてくるでしょう。それに対して「これから議論する上で糖分を摂っておかないと盛り上がらないでしょ」こんなふうに理由を考えて言うわけです。題材は何でもいいです。決めると理由を言わなければいけないわけです。そこでロジックを考えます。何でもかんでも決める、そして何とか強引にでも説明しようとします。本物の経営者は論理的思考が強いはずです。というのは説明ができて説得もできるからです。だれかがいったことに批判を加えるというのは一見論理的に見えるけれど簡単なんです。経営コンサルタントにはそこが求められるんです。一流のコンサルタントは論理を崩すのではなく、「私が社長だったらこうします。なぜなら‥‥」と理由を言える人です。批判や評論をするだけのコンサルタントとの違いは大きいです。 (注3)マッキンゼー&カンパニー。代表的な戦略系コンサルティングファーム。 |