▼担当学生記者
石浦陽子(23歳:取材時)
▼取材日
2001/3/2(金)
▼取材時間
11:00~
▼取材地
悉皆屋
▼取材の雰囲気
反物がたくさん並ぶ越村さんのお仕事場でお話をお伺いしました。仕事中も、たくさんの問屋さんとのやり取りでとてもお忙しそうでした。
どこで働くかではなく、そこでどう働くかかが問題なのだ
担当学生記者:
石浦陽子(23歳:取材時)
今までの伝統関連のナビゲーたさんとは少し感じが違ってやはりどこか若さゆえに考えられる柔軟さのようなものがあったように思う。
悉皆屋さんとは一言で言うと「着物のコンサルタント」のような仕事だ。小売店で受注したオーダーメイドの注文を引き受け、どのような行程を経て着物を仕上げるかを考え、職人さんに渡していくのだ。
つまり、頭の中にはどの職人さんがどんな柄が得意でどの問屋さんがどんな染め方が得意だとかいうことが全部頭に入っているそうだ。
これもまさに「職人技」。
知識と経験からでしか学べないことだと思う。父親から引き継いで、越村さんで3代目。この不況の呉服業界の風雲児となるべく、新しく、「着物のリフォーム」なども始められている。そして、6月に御結婚される奥様もまた日本文化を共に愛するハイテク女性なので、共に、「ネットを使って、着物を世界に」と夢を膨らませていらっしゃった。
今後は伝統産業青年会の副会長として伝統産業の活性化にも力を入れるという。(二人を結んだのはこの「伝統産業青年会事務局」だった。)
また越村さんは小学校低学年から「落語」にはまってしまい、それ以来ずっと着物を着て、落語を続け、今では老人ホームなどでの講演依頼もあるそうだ。取材しているときも終止「落語」調で明るく話しをしてくださった。そんな明るい性格で人あたりのよい越村さんの人間性も商売繁盛の秘訣なのだろう。「仕事」というものに対してはそれほど深く考えずこの呉服の業界を選んだという。
落語といい、呉服といい、何か日本の伝統文化に触れて生きてきた越村さんには「和」の文化がよく似合っているように思えた。今の時代は情報や、選択肢が多すぎるが、もしかすると、職業とは本当はとても簡単な選択なのかもしれない。
お客さんが、喜んでくれるとまた頑張ろうと思う
同行学生記者:
渡辺夏海(21歳:取材時)
三世代に渡って、京都の着物業界を支えている方での取材でした。取材時にちょうど、ナビゲーターさんの父や問屋さんが来ていて三人から着物業界について深く聞くことができました。後継者問題や着物需要の落ち込みなど大変ですが、日本の伝統分野である着物が消えないように頑張っている姿に感動しました。
ナビゲーターさんは、副業として落語家をやっており取材時も、動きや話し方が落語調で、おもしろかったです。色々、取材をしてきましたが落語を聞いているような取材は初めてでした。
心に残った言葉は、「お客さんが、喜んでくれるとまた頑張ろうと思う」です。客商売のすべてが濃縮された一言だと思いました。タンスにしまっているもう二度と着れないと思っていた着物も悉皆屋さんの手にかかれば、時代を超えてまた着ることができる。なんて素晴らしいことなんでしょう。感動です。